不動産による対策
事業、居住用の宅地は低く評価する
遺産の中に、一定の要件を満たす被相続人等の住宅や事業に使われていた宅地等がある場合、その宅地等の評価額の一定割合を減額する特例があります。これを、小規模宅地等についての相続税課税価格計算の特例といいます。特例の適用を受けられるのは、個人が相続や遺贈により取得した宅地等で、次のすべての用件に該当するものです。
- 相続開始直前に、被相続人または被相続人と生計を共にしていた被相続人の親族の事業用、もしくは居住の用に供されていた宅地等であること。この「事業」には、事業と称するに至らない不動産の貸付や、これに類する行為(準事業)も含まれます。
- 建物または、構築物の敷地の用に供されていたものであること
- 棚卸資産に該当しないものであること
- 一定の限度面積までの部分として、各相続人等の合意の下に選択したものであること
- 相続税の申告期限までに分割されていること
最大 80% まで減額して評価することができる
特例の適用を受けられる宅地等には、区分に応じた限度面積が設けられています。
また、宅地等の利用状況、区分に応じて減額される割合も異なります。
なお、この特例の適用を受けるには、相続税の申告書に、この特例を受ける旨、その他所定の事項を記載して、遺産分割協議書の写しや相続人の住民票・戸籍の附票などの必要書類を添付する必要があります。
平成25年度の税制改正において、相続税の基礎控除が引下げられた反面、負担軽減のために小規模宅地等の特例において適用対象面積の拡充や適用要件の緩和が行われました。
改正の内容によって、平成26年1月1日以後の相続または遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されるものと、平成27年1月1日以後の相続または遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されるものがあります。