贈与税の基本の基本 その6 相続時精算課税制度3
今回は相続時精算課税制度の特例についての話し。
通常の相続時精算課税制度は65歳以上の親から20歳以上の子供への贈与の場合に適用がありますが、一定の住宅取得資金の贈与の場合には、65歳未満の親からの贈与にも相続時精算課税制度を適用することができる特例があります。
それでは、この特例のあらましを解説します。
平成15年1月1日から平成23年12月31日までの間にその年1月1日において65歳未満の者からの贈与により住宅取得等資金の取得をした特定受贈者について、一定の要件を満たすときは、相続時精算課税制度を適用することができます。これを「相続時精算課税制度の特例」と言います。
この場合、特定受贈者とは次に要件を満たす者をいいます。
- 相続税法第1条の4第1号又は第2号に規定する個人であること
- 住宅取得等資金の贈与をした者の直系卑属である推定相続人であること
- 住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年の1月1日において20歳以上の者であること
また、住宅取得等資金とは、次のいずれかに掲げる新築、取得又は増改築等(特定受贈者の配偶者その他の特定受贈者と特別の関係がある一定の者との請負契約その他の契約に基づき新築若しくは増改築等をする場合又は一定の者から取得する場合を除きます。)の対価に充てるための金銭をいいます。
特定受贈者と特別な関係がある者とは、特定受贈者の直系血族、特定受贈者の親族(配偶者及び直系血族を除きます。)で特定受贈者と生計を一にしているもの、特定受贈者の配偶者、内縁関係の者などをいいます。
この特例の対象となる新築等とは次のものです。
- 特定受贈者による住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得(これらの住宅用家屋の新築又は取得とともにするその敷地の用に供されている土地又は土地の上に存する権利の取得を含みます。)
- 特定受贈者による既存住宅用家屋の取得(既存住宅用家屋の取得とともにするその敷地の用に供されている土地又は土地の上に存する権利の取得を含みます。)
- 特定受贈者が所有している家屋につき行う増改築等(その家屋についての増改築等とともにするその敷地の用に供されることとなる土地又は土地の上に存する権利の取得を含みます。)
これらの新築等には、床面積が50㎡以上であることなどの床面積基準や、中古住宅であれば建築後の年数基準など一定の条件を満たす必要があるので、この特例を適用する場合は、事前に税務署や税理士に相談してください。
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